桑名市長の名誉を毀損、市議に賠償命令 津地裁四日市支部・三重

事実無根の内容が記載されたはがきで名誉を傷つけられたとして、三重県桑名市の伊藤徳宇市長が伊藤惠一市議を訴えた裁判で、津地裁四日市支部(日比野幹裁判長)は19日、伊藤市長への名誉毀損(きそん)を認め、伊藤市議に33万円を支払うよう命じる判決を言い渡した。

判決によると、伊藤市議は昨年4月、「市長が(企業から)4100万円を受け取り、家も建ててもらった」などと書かれたはがき約560通を自身の支援者らに郵送。伊藤市長は名誉を傷つけられたとして、伊藤市議に220万円の賠償を求めていた。

日比野裁判長は判決で「市長が企業から多額の不正な利益を受け取ったことを認める証拠はない。市議自らの臆測と推測による行為で、現職市長の社会的評価を低下させた」と判断した。

その上で「市議は市政の信頼を失墜させ、市長の名誉をおとしめたことに対して謝罪文を市議会に提出。内容が市民に広報され、低下した市長の社会的評価は相当程度回復された」とした。

伊藤市長は「私の主張が正当であると認められた。伊藤議員には市議として責任ある言動を強く求める」とコメント。伊藤市議は「判決を読んでから控訴などについて検討していく」と話した。