「三重テラス」来館者が減少 リニューアル効果なく 首都圏営業拠点 県議会常任委

三重県議会は20日、政策企画雇用経済観光、環境生活農林水産、教育警察の各常任委員会を開いた。雇用経済部は、昨年9月にリニューアルオープンした首都圏営業拠点「三重テラス」(東京・日本橋)の来館者が、リニューアル前に当たる前年の同じ時期と比べて減少したことを明らかにした。

リニューアル半年、8100人減

〈政策企画雇用経済観光=石垣智矢委員長(8人)〉
県によると、リニューアル後から今年3月末までの来館者は約25万2471人で、前年同期比3%(約8100人)減。ショップなどの売り上げも16%(約2200万円)減となった。

コロナ禍前に当たる元年の同時期と比べても、来館者は24%(8万207人)の減少。リニューアルから二週間後までの来館者数は前年同期比で75%増加したが、翌月以降は伸び悩んでいた。

県産品振興課は「リニューアル当初はイベントなどで重点的に取り組んだが、その後は通常営業だった」と説明。「旬の食材を扱うなど、来館者を飽きさせない工夫に努める」としている。

三重テラスは首都圏からの誘客や県産品の販路拡大などを目的として、平成25年に開設。昨年9月の開設10周年に合わせて、約5400万円を投じて内装をリニューアルした。

農業活性化条例、改正向け検討へ

〈環境生活農林水産=廣耕太郎委員長(8人)〉
農林水産部は「県食を担う農業及び農村の活性化に関する条例」について、改正に向けた検討を進める考えを示した。改正されれば、平成22年12月の制定以降で初となる。

「農政の憲法」とされる食料・農業・農村基本法が5月に改正されたことなどを受けた対応。同法は食料安全保障の強化やスマート技術を活用した生産性の向上などを盛り込んだ。

また、同部は条例に基づく基本計画を見直す方針も示した。平成24年の策定以降、3度目の見直し。国内市場の縮小や担い手の減少など、農業の環境変化を踏まえて見直すとみられる。

農業関係者などから意見を聴取し、9月にも計画の中間案を示す。パブリックコメント(意見公募)などを経て12月にも最終案を策定。来年2月の県議会に計画を提出する。

金属類の盗難が120件増、太陽光施設の被害多発

〈教育警察=喜田健児委員長(8人)〉
県警は1月から先月末までに県内で確認した金属類の盗難被害が、前年同期比120件増の271件だったと報告。そのうち約半数が太陽光発電施設で発生したと説明した。

県警によると、今年に入り、県内では太陽光発電施設から送電用ケーブルなどが盗まれる被害が多発。先月末までに確認された金属盗被害の52・4%に当たる142件を占めている。

県警は今年の被害について、統計を取り始めてから最多となった昨年の被害を上回るペースで発生していると報告。被害が急増している背景に金属買取価格の高騰があるとみている。

県警は太陽光発電施設の事業者や業界団体に防犯カメラやセンサーライト、フェンスなどの設置を呼びかけると説明。施設周辺のパトロールや金属買取業者への捜査を強化する考えを示した。