国スポ見直し「今から議論を」 三重県議会常任委、当局「内々定の後に」

【国民スポーツ大会の見直し議論をめぐり、県当局の意向を聞き取る総務地域連携交通常任委=県議会議事堂で】

三重県議会は19日、総務地域連携交通、医療保健子ども福祉病院、防災県土整備企業の各常任委員会を開いた。日本スポーツ協会が国民スポーツ大会(旧国民体育大会)の在り方を見直す議論を進めていることを受け、総務地域連携交通常任委の委員が「令和17年の県内開催を目指す県としても、今から見直しの議論をすべき」と訴えた。県当局は「県内開催の内々定を得た後に議論する」などと答えると、委員は「順序が逆」と反発。両者の主張は平行線をたどった。

「順序が逆」と委員反発

 <総務地域連携交通=野村保夫委員長(8人)>
県に国スポ見直しの議論を始めるよう求めたのは、三谷哲央委員(新政みえ、8期、桑名市・桑名郡選出)。「協会などで見直しの議論が始まっているが、県はどこで議論をするのか」と尋ねた。

スポーツ推進局の関美幸次長が「県内開催の内々定後に結成する準備委員会で議論する」などと返答すると、三谷委員は「順序が逆。明確な在り方を示した上で県民に問うべき」と主張した。

さらに、三谷委員は準備委による議論について「この類いは事務局の案がしゃんしゃんで通るのが通例。それまでの議論が大切。県としてベストな案を作り、準備委に提示すべき」と訴えた。

県は2巡目に当たる令和3年の三重とこわか国体・とこわか大会(全国障害者スポーツ大会)の開催を、新型コロナウイルスの影響から断念。17年に開く方向で調整を進めている。

医療・福祉人材受け入れ、インドネシアと覚書へ

 <医療保健子ども福祉病院=石田成生委員長(8人)>
医療保健部は、医療・福祉分野の人材受け入れに関する覚書を、近くインドネシアの保健省と交わすと報告した。同国からの受け入れを支援することで、介護などの従事者を増やしたい考え。

県によると、昨年11月に県庁を訪れた同省幹部が、一見勝之知事に人材交流での連携を提案したことがきっかけ。インドネシア側としては、日本での実習を通じて技能を高める狙いがある。

覚書には、医療や保健の分野で受け入れる人材の増加に向け、県と保健省が連携することなどを記す予定。県は受け入れ先となる介護施設との調整などによる支援を想定している。

県内で介護関連の業務に従事しているインドネシアの技能実習生は、ベトナムに次いで2番目に多い。県は介護施設を対象に開く説明会などを通じ、事業者に人材の受け入れを促す方針。

防災アプリ、11月上旬にも運用開始

 <防災県土整備企業=中瀬信之委員長(7人)>
防災対策部は、県内の災害情報を発信する防災アプリについて、11月上旬にも運用を始めることを明らかにした。防災関連のイベントでアプリを紹介するなどして普及を図る。

県によると、アプリは外出時の迅速な避難などを目的に開発。本年度の一般会計当初予算に約1600万円の開発費を計上し、防災アプリの開発を手がける都内の会社に委託した。

地震や津波、大雨などの際、スマートフォンの位置情報を元に、現在地からの避難を呼びかける情報を自動的に通知。周辺の危険度や最寄りの避難所までの距離なども表示する。

英語や中国語、ポルトガル語など、八つの外国語に対応。非常時の持ち出し品や避難時に取るべき行動などを警戒レベルごとに記録できるほか、平時の天気予報や気象情報も入手できる。