一見勝之三重県知事は17日、県内の市町長らとオンラインで会談し、能登半島地震の被災地支援で得た教訓を踏まえ、南海トラフ地震に特化した対策強化の方針を策定することを明らかにした。
県によると、南海トラフ地震に特化した方針を策定するのは初めて。能登半島地震で浮かび上がった課題を方針に反映させることで、南海トラフ地震発生時の対応を強化したい考え。
方針は「発災当初版」と「復旧フェーズ版」で構成する予定。能登半島地震の被災地で支援に当たった職員らが得た気づきや課題、対策の方向性などを災害対応の分野ごとに明記する。
このうち、発災当初版は市町長との議論を経て既に完成。災害発生時に支援する相手方を、県内の市町同士で事前に定める「県内版カウンターパート」を設けることなどを盛り込んだ。
被災地に派遣された職員への聞き取りや市町長との議論を続け、9月中にも方針を完成させる。完成後は、令和8年度にもまとまる南海トラフ地震の新たな被害想定調査結果を反映させる。
一見知事は会議で「能登半島地震での気づきを踏まえ、南海トラフの対策を強力に進めたい。市町長と話し合いの場を持つことが大事。こういった場を今後も設けたい」と述べた。