強迫性障害の娘へ思い込め 写真と詩、玉城町で田中さん個展 三重

【強迫性障害を発症した娘への思いを表現した写真と詩が並ぶ会場=玉城町原の「摘み草かふぇ 陽光桜のかぜ」で】

【度会郡】三重県玉城町原の「摘み草かふぇ 陽光桜のかぜ」で、四日市市の田中晶子さん(54)の個展「あなたへ」が開かれている。強迫性障害を発症した娘(22)への思いを表現した写真と詩計20点が並ぶ。30日まで。水曜日は休み。

田中さんは子どもの写真を撮るために一眼レフカメラを購入し、小学校のPTA広報部で写真を担当。子どもが大きくなると被写体が風景や花になり、平成26年ごろから本格的に撮影するようになった。

約2年前、大学生の娘が発症した強迫性障害は、強い不安や恐怖、不快な考えやイメージが頭に浮かんで離れなくなり、それを打ち消すために同じ行動を何度も繰り返すことで日常生活に支障が出てしまう病気。これまで、さまざまな治療を行ったり入院したりして強迫性障害と向き合ってきたという。

同展には、公園やヒマワリ畑などで撮影した娘がいる風景写真と、一緒に過ごしている日々の思いをつづった詩を出展。「あなたへ」という詩は、「何もできなくてもいい ただ生きていてくれたらそれでいい そして笑っていてほしい」などと娘へのメッセージを込めた。強迫性障害について理解を深めてもらおうと、娘が作った絵本も展示している。

田中さんは「この個展をきっかけに病気のことを知ってもらい、いろんな人が支え合っていけるような社会になってほしい」と話していた。