竹内浩三の作品を次世代に 伊勢の顕彰会、市教委に冊子寄贈 三重

【岡教育長(左端)に冊子を手渡す西岡会長(中央)=伊勢市小俣町の市小俣総合支所で】

【伊勢】三重県伊勢市出身で、太平洋戦争で若くして戦死した詩人、竹内浩三(1921―45年)を顕彰する「竹内浩三を伝えゆく会」は13日、竹内の生涯や学生時代に描いた漫画作品を紹介する冊子50冊を、市教育委員会に寄贈した。冊子は、市立図書館や小中学校に配布される。

会は、県内の有志で一昨年に発足。竹内とその作品を次世代に伝えるため活動している。

冊子は、5月に市内で開催した竹内の生誕祭を記念して300冊作成。A4判30ページで、竹内の生涯や詩の解説、竹内が過ごした当時の伊勢の町の様子なども記している。

また、竹内が旧宇治山田中学時代に描いた漫画「志摩キャンプの記」の肉筆を活字化して掲載。漫画は、竹内の創作の原点ともされる学生時代の同人誌に残されているもので、友人たちと行った志摩市でのキャンプの出来事が生き生きと描かれている。

会の西岡博子会長(70)らが、市小俣総合支所で岡俊晴教育長に冊子を贈った。西岡会長は「竹内の作品はいろんな人の心を動かす力がある。冊子を多くの人に見てほしい。小中学校でも、郷土学習に役立ててもらえたら」と話した。