東海財務局津財務事務所は13日、4―6月の法人企業景気予測調査結果を発表した。景況感が「上昇した」と答えた企業から「下降した」と答えた企業を差し引いた景況判断BSIは3期ぶりに改善した。
事務所によると、調査は三重県内に本社を置く資本金1千万円以上の136社を対象に実施。5月15日時点の景況感や人手不足感などを尋ね、90・4%に当たる123社から回答を得た。
県内の景況判断BSIはマイナス4・9。「下降」超の幅は、前期(1―3月)から2・3ポイント改善したが、6期連続で「下降」が「上昇」を上回っている。翌期(7―9月期)は「上昇」超に転じる見通し。
規模別では大企業と中堅企業が改善し、中小企業が悪化した。業種別では製造業が3期連続の悪化でマイナス16・3。非製造業は観光客の増加による娯楽・宿泊業が好調に推移し、6・9ポイント改善し1・3となった。
人手不足感を示す従業員数判断BSIは1・5ポイント増の44・7。2期連続で過去最大を更新し、16期連続で「不足気味」が「過剰気味」を上回っている。規模別では、中堅企業と中小企業が悪化している。
聞き取りでは「客室単価の上昇に加え、インバウンド需要も好調」(宿泊業)、「物価高騰に伴う価格改定の効果もあって、売り上げが好調に推移している」(食料品製造業)などの声が上がった。
一方、自動車部品メーカーからは「能登半島地震の影響で、受注はいまだ元通りとはいかない」「大手メーカーは中国市場の伸び悩みなどから、発注を抑制する傾向にある」という声もある。
米倉洋成所長は記者会見で、観光需要の増加や価格転嫁の進行が景況感の改善につながったと説明。「翌期以降、国内自動車メーカー5社の認証不正問題の影響が出ないとはいえない」との懸念も示した。