【松阪】あいおいニッセイ同和損害保険は7日、三重県松阪市若葉町の松阪商工会議所で「情報漏えい事故に学ぶ事業継続のための情報セキュリティセミナー」を開いた。県内のサイバー攻撃の実態と対策を専門家が講演し、経営者やシステム担当者ら約60人が参加した。
同社は昨年11月、警察庁とサイバー攻撃の被害防止に関する連携協定を締結した。セミナーはサイバー犯罪と対策を知ってもらう狙い。
県警本部生活安全部サイバー犯罪対策課と中部管区警察局県情報通信部情報技術解析課が、県内の被害事例を報告し、ランサムウェア(身代金要求型ウイルス)の感染デモを見せた。
富士フイルムビジネスイノベーションジャパン三重支社の塚本礼二郎グループ長は「会社の大きい小さいや業種は関係なく狙われる。超大企業から個人商店まで相談がある」「感染すると事業が停止し、被害者から加害者に変わる。取引先と顧客に対する信用が失墜する」と指摘。「取引先に迷惑をかけないようにするため、ウイルス対策と情報漏えい対策、バックアップを」と助言した。
あいおいニッセイ同和損害保険三重支店地域戦略室の岩本英彦TC長は「感染したらびっくりしてどうしていいか分からない。サイバー保険に入っていればネットを切った後、緊急サポートに連絡していただく」と述べ、早期復旧と経済的備えを見据え保険加入を呼びかけた。