伊勢新聞

2024年6月2日(日)

▼みえ県民1万人アンケートの結果で、新設した国民スポーツ大会について、約半数が「見直しが必要」と答えた。自由記述だからまとめるのは大変だが、1170人が記述して、見直し意見が540件、開催支持190件で、否定的が220件

▼「競技者にとって重要な大会なので、大いに盛り上げて」という意見がある一方、「財政負担が大きい。他の施策に使ってほしい」の声もあり、一見勝之知事は「人によって考え方は違うが」とした上で「いずれにしても一番多いのは見直しの意見。財政に負担がかかり過ぎていると県民が思っているということだと思う」とまとめた

▼財政負担問題は全国知事会の多数意見とみられる見直し論の中心意見だが、県民の多数意見と一致しているかどうかは疑問だ。旧国民体育大会が二巡目に入る時から、運営について疑問の声は大きかった。その一つの柱は年々豪華競争が激しくなっていくことで、もう一つは、開催自治体が天皇杯を獲得することだ

▼つまりアスリート第一なのか、自治体のメンツ第一かで、首をかしげることが多いのである。いわゆる“渡り鳥選手”は、中止になった「とこわか国体」でもみられたのではないか。全国知事会が財政負担で悲鳴をあげているのはいわば自業自得の面もあるが、県民調査の結果とは似て非なる気がする

▼「結婚するつもり」の回答が微増していることも手放しでは喜べない。結婚に対するこの傾向は、一貫して減っていないのである。ただ、結婚しないだけだ。その事情が問題なのである。