三重労働局は31日、4月の一般職業紹介状況を発表した。県内の有効求人倍率(季節調整値)は、前月比0・01ポイント減の1・21倍。3カ月連続で低下した。
有効求人倍率の全国順位は、前月から一つ下げて30位。11カ月連続で全国平均を下回った。「改善の動きに一部で弱さが見られる」などとする雇用情勢の判断を10カ月連続で据え置いた。
有効求人数は前月比0・6%(184人)増の3万196人で、3カ月ぶりに増加。有効求職者数は1・6%(393人)増の2万5005人で、2カ月ぶりに増加した。
より良い労働条件を求めて自ら退職するケースが増えたことが求職者数を押し上げている。30―50代の女性が長引く物価高を背景に家計を補おうと、求職を始める動きも目立つという。
新規求人倍率は、前月比0・12ポイント増の2・10倍。2カ月連続で前月を上回った。全18業種のうち、製造などの11業種が前年同月比で新規求人を増やし、7業種が減らした。
このうち、製造業の新規求人は前年同月比10人増の1447人で、前年同月比としては14カ月ぶりの増加。自動車の認証不正問題などによって停滞していた自動車の生産再開が影響した。
石田聡局長は記者会見で、判断を据え置いた理由について「有効求人倍率は低下したが、新規求人倍率は2カ月連続で上昇している。求人を増やした産業も多い」などと述べた。
また、同局は全国安全週間(7月1―7日)に労災事故の防止に向けた啓発を実施すると発表。石田局長らが6月上旬に津市内の工事現場を視察し、安全管理の状況などを確認する。