2024年5月30日(木)

投資詐欺の三重県内多発が報じられたばかりだが、未納金詐欺やサポート詐欺も続いているらしい。紀北町の70代男性はNTTを名乗るショートメールを受け、複数の動画サイトへの未納金があるとして、2回にわたり97万円を振り込まされた

▼かつてははがきで通知がきた“古典的手口”だが、NTTを自称してメールで届くというのが新しいといえようか。NTTからの連絡にショートメールを使うのかどうか。そういえばNTTからショートメールが届いていたことを思い出す。何の疑いも持たなかったのは当然の気はする

▼100万円をだまし取られたという玉城町の60代女性は、パソコンにウイルス感染を表示され、消去のサポート代金として1万円を振り込むつもりが100万円送金させられていた。還付金詐欺などでも使われるパソコンの操作の誘導か。「トロイの木馬」などの著名のウイルス名が使われて、信じさせられてしまったか

▼四日市南署が広報犬「豆助」を使った未納金、サポート、還付金の“古典的”特殊詐欺防止の動画を作成してユーチューブで配信。介護施設などにDVDを配布しているという。かわいい柴犬が「ストップ! サギだワン!」などと呼びかける

▼どれだけの高齢者がユーチューブを見るか、1人暮らしのお年寄りに浸透するか―などの懸念はあるが、ちょっと待てや危険など居丈高な警告よりは効き目はある気もする。特殊詐欺の通知は形を変えて最近ひんぱんに届く。その目先の巧みさ、抜け目のなさに比べ、いささか牧歌的な気はする。