フリースクール利用に補助 困窮世帯対象 27日から受け付け 県教育長会見

【定例記者会見に臨む福永教育長=県庁で】

三重県の福永和伸教育長は24日の定例記者会見で、不登校の児童生徒らが通うフリースクールの利用料に対する補助金の申請を、経済的に困窮する世帯を対象に27日から受け付けると発表した。コロナ禍を経て、不登校の児童生徒が大幅に増えていることも明らかにした。

県教委によると、補助の対象は生活保護や就学援助、児童扶養手当を受けている世帯や住民税の非課税世帯など。平均で月額3万円とされる利用料の半額を、上限1万5千円で補助する。

今のところ27人の家庭が補助の要件を満たす見通し。県教委が令和4年度に実施した調査によると、県内では少なくとも126人の児童生徒がフリースクールを利用している。

県教委がフリースクールの利用料を補助するのは初めて。本年度の一般会計当初予算に480万円の事業費を計上していた。同様の補助は五県にあるが、高校生を対象に含む補助は珍しい。

県内の公立小では、不登校の児童が平成30年度からの4年間で約2倍(1356人)に増加。公立中では約1・5倍の2489人、県立高校は約1・4倍の980人に上る。

福永教育長は会見で、補助の意義について「家庭の経済的な事情に左右されずに学びを継続してもらえるようにしたい」と説明。「補助の周知を含め、しっかりと取り組む」と述べた。

6月28日までに申請すれば、4月分までさかのぼって補助される。県のホームページに詳細な申請方法を掲載している。問い合わせは生徒指導課=電話059(213)6611=へ。