伊勢新聞

軽便鉄道の線路跡巡る 津でウオークイベント 三重

【線路跡の生活道路を歩く参加者ら=津市安濃町で】

【津】大正―昭和初期に地域の足として利用された軽便鉄道の線路跡を巡るウオークイベントがこのほど、三重県津市内であった。市内外の約50人が、安濃鉄道の曽根駅跡から椋本駅跡までの8・4キロを歩いた。

同鉄道は津市8町から芸濃町林までの14駅14・6キロと、安東から分岐し片田までの5駅5・1キロの区間で昭和19年まで営業した。

同イベントはかつて市内にあった軽便鉄道を多くの人に知ってもらおうと市内ガイド団体でつくる津観光ガイドネットが全4回で企画。この日は安濃町の安濃ガイド草陰と芸濃町の芸濃ふるさとガイド会が案内した。

【萩野駅ホームの痕跡を確認する参加者ら=津市芸濃町で】

一行は県道42号の東側から椋本地区に向け、今は生活道路となったかつての線路跡を歩いた。安濃駅跡周辺ではガイドから「白塚からイワシの搾め滓(しめかす)を運び農業の飼料に使った」と説明を受け、萩野駅跡ではホームの痕跡を確かめた。

一志町から夫と参加した西川さつきさん(69)は「一志には中勢鉄道があったが安濃鉄道がどこを通っていたか知らなかった。案内を聞きながら歩けるのがいい」と話した。