【伊勢】三重県伊勢市の鈴木健一市長は22日の定例記者会見で、観光振興の財源となる「宿泊税」の導入を検討することを明らかにした。令和8年4月の導入を目指し、学識経験者や宿泊事業者などで構成する「伊勢市宿泊税検討委員会(仮称)」を7月頃に設置するほか、勉強会も開く予定。
宿泊税は自治体が独自に課税する法定外目的税で、ホテルや旅館などの宿泊者から徴収する。国内では東京都や大阪府、京都市などで導入されている。
伊勢市の伊勢神宮では、第63回式年遷宮(令和15年・遷御の儀)に向けて準備が進められることとなり、今後、観光客の増加が想定されるため、交通渋滞対策や人手不足など市の観光課題を解消し、国内外の人々の来訪や交流の促進、受け入れ環境の充実など、さらなる観光振興を図るため、宿泊税の導入検討を決めたという。
近隣の鳥羽市と志摩市も宿泊税導入を検討する意向を示しており、鈴木市長は「それぞれの自治体の考えがあるので情報を共有し、相談しながら協調できるところはしていきたい」と話し、「先進自治体の事例を参考にしつつ、関係団体の意見を伺いながら進めていく」と述べた。