<春季東海地区高校野球>菰野の森が決勝打、グラブ借り登板 投打で勝利に貢献

【菰野―県岐阜商 十回表無死一、二塁で2点適時二塁打を放ち、二塁を回ったところで両手を挙げて喜ぶ菰野4番森柊真=岐阜市の長良川球場で】

菰野の4番森は延長十回表、タイブレークの無死一、二塁で中越2点二塁打を放ち、決勝点をたたき出した。九回裏からマウンドにも上がった背番号3が投打に活躍し、決勝進出に大きく貢献した。

投手として入学し、打撃を買われて昨秋から4番に。死球の影響で県大会は登板せず、この日も登板予定はなかったため、グローブを用意していなかったが、九回表の攻撃で3番手投手磯部に代打が出ることになり、急遽登板が決まった。

そこで、先発贄からグローブを借りて、同点に追い付いた直後の九回裏のマウンドへ。変速的な右横手投げを生かし、無我夢中で3人の打者を抑えて、延長に持ち込んだ。

先頭で打席に立った十回表は、戸田監督の「犠打のサインは出さない」という期待に応え、タイブレークの走者2人を返した。先発出場した全員が2年という若いチームを引っ張る主砲は「4番として打点を挙げ、優勝したい」と決勝に向けて力を込めた。