山頂の寺院でお茶会 紅茶にも舌鼓 亀山

【「F4」茶葉の紅茶を味わう櫻井市長(左端)=亀山市安坂山町の鶏足山野登寺上寺で】

【亀山】全国で亀山だけで生産しているという紅茶の品種「F4」を亀山のブランドにしたいと活動する市民ら有志団体「『みずのゆくえ』お茶会実行委員会」(米田恭子委員長)は18日、三重県亀山市安坂山町の野登山(標高851・4メートル)の山頂付近の「鶏足山野登寺(けいそくざんやとうじ)上寺」(道山麿輝住職)で、「お茶会」を開いた。

鈴鹿川等源流の森林づくり協議会と野登寺奉賛会が協力。櫻井義之市長、川森浩司・亀山商工会議所会頭のほか、鈴鹿森林組合理事ら約30人が参加した。

同委員会は、平成26年に野登地区の耕作放棄畑で、台湾原生の山茶がルーツの紅茶品種「F4」の生産を始めた。この紅茶を、樹齢約400年の杉の大木やブナ林が立ち並ぶ野登寺周辺の自然景観の中で味わってほしいと、初めて茶会を企画した。

参加者らは、F4の茶葉を急須に入れ、熱湯を注いで蒸らし微発酵させた「白茶」と、完全発酵させた紅茶の計2種類の紅茶を味わった。

櫻井市長は「白茶は、ほんのり甘く、紅茶は濃厚な深みのある甘みで、奥深い森の中で飲む紅茶は、格別の味がした」と舌鼓。

亀山市関町中町の関宿街道沿いで、衣食住の暮らしを提案するカフェ「而今禾(じこんか)」を営む米田委員長(63)は「F4は現在、生産しているのは全国で亀山だけ。未来に向けこの地域の貴重な資源F4と、自然を保全する森林づくりの可能性を探り続ける」と話した。