伊勢新聞

2024年5月18日(土)

▼「いましたら負ける」と自民党幹部が言い、あらゆる状況がそれを示しているのに、「6月解散、7月総選挙」説が消えない。先の衆院3補欠選挙で全敗、内閣支持率も低迷、メディア及び各党の票読み調査も「自公過半数割れ」なのになぜなのか?

▼ささやかれるのは、岸田首相の特異な性格。「超がつく楽観、鈍感人間だからやり兼ねない」と言うのだ。先の訪米で国賓という厚遇を受け、連邦議会でのスピーチが好評だったことで舞い上がっている。政治資金規正法も、野党案譲歩で乗り切れると考えているとか

▼今国会の会期は6月23日まで。その直前に野党側が内閣不信任案を出せば、それを契機に解散。総選挙は7月7日投票となるとされる。しかし、首相の超楽観は実現せず、自公過半数割れで、立民中心の野党連合政権ができるか、自公が維新を加えて政権を維持するかの2択になるが、後者が有力。立民と維新が相容れないからだ

▼ただし、巨額債務を抱えた政府の運営は困難を極め、超円安に象徴される日本の経済危機は続く。この状況で政権争いしている政治家に、火事場の栗を拾う覚悟が本当にあるのだろうか。