▼「大山鳴動ネズミ一匹」とでも言えようか。県議会の正副議長選挙は。議長には会派・新政みえから、副議長には同・自民党から、それぞれ1人ずつ届け出てこれまでと何ら変わりなく、淡々と信任される運びで16日の投票日に向かった
▼続投に意欲を隠さなかった中森博文議長は10日の会見以降沈黙。明言していた通り「いったん辞表を提出」して受理されたまま、何事もなく波紋は消えていった。「大山鳴動」したのか、中森議長の独り相撲だったか、当面は分からない
▼中森議長が自民党から出ていたのに対し、次期議長候補は新政みえ。正副議長の出身会派が交代する形で、このスキームが、今選挙に向かう数日間で両会派で話し合われたと考えるのは無理がある。少なくとも言わずもがな、程度にはあらかじめ了解されていた可能性は否定できない。中森議長続投にはそれだけ厳しい壁があったと言えよう
▼「(自民党)会派内の調整がまだできていない」「他会派の意見も聞く必要がある」など、中森議長が次期議長選に向けて語った言葉は、そう考えるとさまざまなな背景も浮かびあがる。新政みえも、さぞや気が気でなかったに違いない
▼このところ少し沈静化した富士山爆発だが、宝永4年(1707年)宝永大噴火では富士山が吹っ飛ぶと大騒ぎになったが、側面に2600メートルの宝永山ができただけで収束した。その後も新たな噴気、有感地震は起き、富士山が消えたなどの大騒ぎとなって、新聞社を慌てさせている
▼中森議長の一石がどの程度の噴気になるかはいましばらく見守らなければならない。