▼毎年繰り返される憲法論議。改正は岸田首相の政権公約で、9月までの総裁任期中に改正の発議をしたいとしてきた。しかし、肝心な衆議院憲法審査会での議論は、平行線。立憲ほか野党は慎重論・反対論で抵抗中だ
▼ただし、長年にわたる改憲か護憲かの論議は不毛。改憲派(=右派)、護憲派(=左派)とも、厳然たる一つの事実への認識が足りないからだ。その事実とは、憲法を変えようと守ろうと日本の独立はないこと。単に「九条改正」による戦争か平和かの議論は無意味だ
▼もっと無意味なのは左派が好む「平和憲法」という言葉。占領下GHQがたった9日間でつくった憲法は戦争放棄をうたう以上、それは日本の平和ではなくアメリカの平和である。バイデン大統領はかつて「日本の憲法は我々が書いた」と明言した
▼日本独立の根拠とされるSF平和条約には、日本語正文がなく、日本の戦争放棄を規定している。つまり、日本に認められたのは「施政権」であって「主権」ではない。国連の敵国条項も生きている。国際法は国内法の憲法より上に来る。よって改憲しただけでは属国(米国占領)は終わらない。