伊勢新聞

2024年5月7日(火)

▼東海地区大学野球連盟の三重学生リーグ春季リーグ戦2回戦は6―3の逆転勝ちで皇學館大学が2連勝して四日市大学を下し、11季連続13回目優勝を決めた。というと、貫禄の勝利のようだが、戦評には「泥臭く加点」

▼広辞苑によると「土くさい。洗練されていない。やぼである」。あまりいいイメージではない。リードされた六回、四死球で無死満塁の好機に放ったセーフティバントと適時打で同点。八回は敵失を誘う遊ゴロで逆転に成功した。大砲はおらず「泥臭い野球」がチームのテーマだったともいう

▼「あかぬけている」すなわち洗練されているの言葉の対義語になる。もっとも「垢(あか)」の文字が入っているため、幼いころから、汚いことを意味と勘違いしていた。麻生太郎衆院議員が未曾有を「みぞうゆ」と読んだり、寄席を「よせき」と誤読したことを笑えない。顔から火の出る思いをしたことは数知れず。今も口に出来ないエピソードがあり、麻生議員のあのご面相の心中を思い同情した

▼四日市大には主砲がいて、3点本塁打で先制したが、「前半戦は投手陣に任せきりにしたところが多かった。自分たちでもっと点を取って気を楽にさせたかった」と語っていた

▼箱根駅伝4連覇を達成した陸上部の原晋監督が教え子の結婚式のあいさつで、駅伝はチームワークだと言っていた。スーパースターの存在は大きく思えるが、戦い方は与えられた条件のよさをいかに最大限、引き出すかということなのだろう

▼「泥臭い」という言葉もそう思うと輝きを増してくる。