伊勢新聞

豊作祈り「御田祭」 桃山時代の装束で苗植え 伊勢・猿田彦神社

【桃山時代の装束をまとい、苗を植える植方ら=伊勢市宇治浦田の猿田彦神社で】

【伊勢】三重県伊勢市宇治浦田の猿田彦神社で5日、五穀豊穣や豊漁を祈る県無形文化財「御田祭(おみた)」があった。植方と呼ばれる地元住民16人が桃山時代の装束をまとい、昔ながらの手作業で苗を植えた。8月下旬―9月上旬に稲を刈り、11月23日の新嘗祭(にいなめさい)に初米を供える。

本殿祭が営まれた後、約500平方メートルの神田に移動し、進修小3年の女子児童らが務める「八乙女」が玉苗を植方に手渡した。植方の女性は市女笠(いちめがさ)に小袖、男性は侍烏帽子(さむらいえぼし)に手細(てぼそ)、はかま姿で横一列に並び、囃方(はやしかた)が演奏する田楽に合わせて苗を植えた。

田植えが終わると、えびすと大黒が描かれた2本の大うちわで豊作、豊漁を占う「団扇角力(うちわずもう)」が神田で行われ、今年は大黒(豊作)が勝った。神社境内では豊年踊りも披露された。