伊勢新聞

2024年5月4日(土)

▼円安によるインフレが止まらない。消費者物価指数は2022年が3・0%、23年が2・6%、そして今年は毎月2%以上を記録し続けている。賃金上昇が物価上昇を下回っているのだから、この状況はスタグフレーション。国民生活は窮乏の一途だ

▼インフレ抑制には金利を上げるのが鉄則。上げれば円安も歯止めがかかる。しかし、日銀は世界で日銀だけが使う言葉「基調的なインフレ」が2%に達していないとして、利上げをしない。すれば、企業倒産、住宅ローン破綻などが続出する。なによりも莫大な国債残高を抱えた政府が利払い不能になって、財政破綻まである

▼インフレはそれが何%であろうと税金を払っているのと同じ。よって俗に「インフレ税」と呼んでいる。誰一人逃れられない恐ろしい税金だ

▼インフレは通貨の価値が下落することと同義なので、借金を持っている人間がトクをする。最もトクをするのは莫大な債務を持つ政府だ。このままインフレが亢進すれば、債務は目減りするうえ物価上昇で自動的に税収も増加する。政府は本当に「国民生活が第一」と考えているのだろうか?