伊勢新聞

2024年4月27日(土)

▼GWが始まった。今年は最長で10日間と長く、新型コロナ5類移行後初のGWとあって期待が高かったが、以前とは様相が違う。東京、箱根、京都、大阪などの観光名所はどこも盛況だが、ほとんどがインバウンド外国人。日本人観光客は少ない

▼物価高、賃金安のなか、ホテル代、旅行代の高騰が家庭を直撃し、遠出や宿泊旅行は減った。高級ホテルは富裕層外国人、ビジネスホテルはアジア諸国からの外国人で、日本人は居場所がない

▼代わりに盛況になったのが、宿泊費用が抑えられるキャンプ場、郊外のテーマパーク、映画館などの娯楽施設など。本県でいえば、ナガシマスパーランドは日本人、伊勢志摩の高級リゾートは外国人といった具合。極端な二極化が進んだ

▼一方、海外旅行は昨年比で9割回復というが、行き先は韓国、台湾など近場が中心。円安で欧米旅行は減り、聞こえてくるのは「ランチが1万円も!」という悲鳴ばかり

▼結局、GWを楽しんでいるのは外国人で、日本人は楽しむどころか休養も取れていない。このままでは後進国化、ガラパゴス化が進むばかり。来年のGWはどうなるのだろうか?