三重県教委は24日、県総合教育センター(津市大谷町)で、市町の教育長らを集めた会議を開いた。公立学校の教員が一見勝之知事から差別解消条例に基づく「説示」を受けた問題を報告。出席者らに再発防止への協力を求めた。
問題を巡っては、購入した土地が被差別部落にあることが分かったとして、公立学校の教員が業者に契約の解除を要求。業者は解除に応じたが、教員は業者の対応を非難し続けた。
県は「差別を解消し、人権が尊重される三重をつくる条例」に基づいて今年2月、教員に差別をやめるよう促す説示を出した。令和4年5月に条例を施行して以降、初の適用となった。
この日の会議では、県教委が事案の内容について報告した上で、部落問題に対する認識や行動を振り返るためのリーフレットを全ての教職員に配ると説明。研修などで活用するよう求めた。
坂井哲次長は事案について「差別解消に積極的な役割を果たすべき教職員が説示を受けた事態を重く受け止め、全ての教員が部落問題への認識を見つめ直さなければならない」と述べた。
このほか、県教委は教職員の懲戒処分が相次いでいることを受け、不祥事の根絶に向けた取り組みへの協力も要請。研修などを通じて教職員に不祥事を自分事として捉えさせるよう求めた。