男子中学生に対して複数回にわたってわいせつな行為をしたとして、三重県教委は23日、県内の公立中学校で勤務する女性養護教諭(27)を懲戒免職処分とした。また、監督責任として、同校の校長を近く文書訓告とする方針。
県教委によると、教諭は昨年、保健室で男子生徒を抱きしめたり、キスをしたりした。問題発覚後は自らを擁護するよう求めるメッセージを、SNS(交流サイト)で男子生徒に送った。
生徒の様子に違和感を覚えた保護者が昨年、校長に相談した。教諭は問題発覚以降、病気休暇を取得している。生徒は当時、相談で保健室を訪れた。2人は私的なことで連絡し合う仲だった。
教諭は県教委の聞き取りに「自分から進んでやったわけではない」としつつ「生徒の行動を容認し、不適切な関係を続けてしまった。多大な迷惑をかけて申し訳ない」と話している。
県教委は勤務先の学校名について、生徒の特定につながる可能性があることや、保護者の意向を理由に公表していない。行為の回数は非公表としつつ「少なくはない」としている。
福永和伸教育長は定例記者会見で「公教育の信頼を大きく損なった」と陳謝。教諭の行為について「あってはならないこと。教諭はしっかりと役割を果たさなければならなかった」と述べた。
「各学校で事案を共有するなどし、コンプライアンス意識の向上に努める」と説明。ハラスメントに関する研修用の動画や、性暴力に関する電話相談窓口の活用を図る考えも示した。