伊勢新聞

2024年4月24日(水)

▼自民党の金子恭之組織運動本部長らが津市の同党県連で役員や党員から派閥の政治資金パーティーを巡る裏金問題について意見を聞き取った。「情報公開の徹底が必要」(中嶋年規県連幹事長)だと会合は全て報道陣に公開されたが、県選出国会議員は同席しなかったらしい

▼裏金問題での同党関係者に対する党の処分が国民の大多数に納得できるものでないことは報道機関の世論調査で指摘されているが、それはひとまず置く。県選出国会議員が報道にも処分対象にも見当たらないのは潔白ゆえか。それとも基準などに達しなかっただけか。実際はどうだったかを直接聞ける機会が失われたようで残念

▼「謙虚だった政権奪還時の党に立ち返り、一から出直してほしい」などの党員の声があったという。その大勝した総選挙ではまた、「勝たせすぎ」の声も少なくなかった。「大勝すれば傲慢(ごうまん)になる」というのが戦後一貫した自民党政権だというのだ

▼そういえば、リクルート事件で政治不信が高まった時も、自民党は政治改革推進本部を組織し、伊東正義本部長が羽田孜氏とともに来県。党本部の話は決して信用しないように、しっかり監視してほしいなどと訴えていたので、耳を疑った

▼後継首相に推されたが峻拒したことはよく知られる。「本の表紙を変えても、中身を変えなければ駄目だ」の言葉は有名。関係した議員全員の辞職を求めたが、実現されなかったともいう

▼熱意は大いに感じたことは間違いない。だが、お説の通り、マユに唾する気持ちで聞いていた記憶がある。