2024年4月22日(月)

▼国民スポーツ大会(旧国民体育大会)の持ち回り開催に向けて都道府県知事に急に各論が噴出してきた印象がある。令和17年開催を表明し、二巡目を実施しない唯一の県になるのは耐えがたいと言っていた一見勝之知事まで「国スポは(既に)一定の役割を果たした」と取材に答えているようなのは驚いた

▼岡本栄伊賀市長が「県民議論が必要」と注文した時は意見調整を図る考えも示していたが、県市町長のアンケートでは“不都合な真実”を大幅に黒塗りして公表したようだから異論は多かったのだろう

▼前葉泰幸津市長は「延期検討の際は開催推進派だったが、現時点では終わった感」と指摘。水谷俊郎東員町長は「何のために三重で開くのかを議論すべき」。全国知事会の村井嘉浩会長(宮城県知事)が廃止も含めて開催方法を見直すべきだと言って以来、同様の声が相次いだ

▼膨大な費用への不満が大きいらしい。茨城県、大阪府知事はブロック単位の開催を提案しているという。県が一巡目に開いたのは昭和50年。費用拡大が本格化する中で負担に耐えられず、返上も選択肢にあったそうだが、結果は“ケチケチ国体”として開催した

▼開会式の赤¥ルビ(絨毯,じゅうたん)を紙製にして支障なかったというのが当時の知事の“自慢話”で一事が万事、経費節減に努め、高騰の流れがストップ。後続の自治体から感謝されたというが、数年で元のもくあみになり、豪華競争が再開した

▼今日に至ったのは各自治体の責任と言えなくはない。そのツケを競技者に回すのだけは避けてもらいたい。