▼警察庁がいじめ摘発・補導件数やリベンジポルノ相談件数などを積極的に発表し、いずれも急増しているとして注意を促しているが、調査に連動しているはずの三重県内の状況については不明のままだ。特に、昨年いじめで摘発・補導した小中高生は前年比66%増の292件。県はどうなのだろうか
▼全国的に発生した問題で県がカヤの外というのはめったにない。なければないで、もみ消されていないか、心配になる。292件の内訳は、暴行、傷害が1、2位だが、3位の「児童買春・児童ポルノ」46件は10年前の3倍に急増。インターネット利用の事件の半数以上を占めるという
▼県教委が携帯電話の利用に注意を向けたのは比較的早く、財団法人反差別・人権研究所に調査を委託し、研究会なども組織していた。当時の最大の懸念は男子の有料アダルトサイトへのアクセスだったが、オブザーバーとして参加していた県警サイバー犯罪対策課の署員は女子が引きずり込まれることの深刻さを指摘していた
▼昨年のリベンジポルノ相談件数は1812件で過去最多。いずれも現実の被害を訴える内容だが、中高生が巻き込まれていることは想像に難くない。県教委は3月末で8人の女性と不倫関係にあったという教頭を何の処分もせず依願退職させたが、中高生、特別支援学校生徒が教師からわいせつ行為やセクハラを受けたと訴え、県教委自身「事実」と確認した109件も不問にした
▼児童生徒のSNS(交流サイト)による性被害対策どころではないのかもしれない。