【四日市】三重県四日市市の森智広市長は9日の定例記者会見で、多角的に子ども一人一人の姿や課題を把握し、さらにきめ細やかな教育を推進するため、本年度から新たに四つのシステムを導入すると発表した。新システムでは、①ダッシュボード上で子どもの記録を可視化②スクールライフノートで子どもの気持ちを可視化③ベネッセとの共同研究で子どもの学力を可視化(全国初)④「いじめリスクアセスメント」プロジェクトでリスクを可視化(県内初)―の4種類の可視化に取り組む。
ダッシュボードとは、車のダッシュボードに速度計や各種警告灯が集中して配置されているように、学級全員の欠席日数が一つの画面に一覧表示される、ある子どもの名前をクリックするとその子の出欠席の状況や学習の記録が表示されるなどの機能で、バラバラのフォルダに収納されていたデータが一つの画面に集約されるため、業務時間短縮につながる。スクールライフノートは、紙のノートなどで行っていた担任と生徒のやり取りをオンライン上で行える機能で、ダッシュボードとデータ連携しているため、子どもが「心の天気」をスクールライフノートに打ち込むとダッシュボードに反映され、気になる子どもに教員がタイムリーに声かけや支援を行うことができる。
さらに、同市の中学3年生は11月にベネッセコーポレーションが実施する論理言語力検定を受験しているが、同社との共同研究で検定結果を全国学力・学習状況調査(4月に受験)の結果と連携させ、今後必要な力を分析し、学校での日々の授業改善にもつなげる。
また、毎学期に行っているいじめに関する調査をタブレット端末を使って行い、回答結果に潜んでいるリスクをアラートとして可視化できるシステムを構築。アラート判定の基準や仕組みを共同研究し、学校での円滑な活用、効果的な分析につなげる。森市長は「四可一という生徒のためのプログラムを始動させる。個々の学力を多角的に分析でき、教員の働き方改革にもつながる」と強調。その上で「教育現場が大きく変わる。四つが同時にスタートすることが重要で、一つの特色として発信していく」と語った。