伊勢新聞

2024年4月8日(月)

▼春の全国交通安全運動が始まった6日、県内の交通事故死者はゼロ。今年の累計でも12人で、昨年比はマイナス10人。まずまずだが、今回は歩行者事故防止を重点。県民を驚かせたのは2月7日早朝に発生した明和町長(当時)の歩行中の交通事故死ではなかったか

▼国道23号の側道を歩いていて軽乗用車にはねられた。運転手が自動車運転死傷処罰法違反(過失運転致傷)の疑いで逮捕されたが、事故の詳細は伝わってこない。町長選で後継も決まったが、交通安全については特に焦点にならなかった。健康ウオークがじわじわ浸透している中で、夜間や早朝、黄昏(たそがれ)時の歩行の注意事項は、もう少し周知に努めてもいい気がする

▼車は車道、人は歩道のルールが、この時間帯は守られないケースが少なくない。一つには、歩道の不整備だ。もともとが車が車道に出るために歩道に傾斜などつけられているし、車道で途切れるので歩きにくい上に、破損なども軽微なため修復は遅れがちだ

▼健康ウオークに目覚めたお年寄りに転倒の危険があり、若い人たちはジョギングなどでは不自然な段差などない車道を利用する。車道の白線の外側を使っているが、朝方や夕方など、運転席から見づらい時間帯は、思わぬ危険が待ち構えている可能性がある

▼交安運動の出発式で、亀山市の園児らが「道路へは飛び出しません」などと元気に宣言した。交通ルールは大人以上に守る様子は目につく。電動ボードの事故はあまりないようだが、交安運動も時代や世相にあわせた呼びかけが必要だろう。