2024年4月7日(日)

▼公選法違反の疑いで書類送検された鈴木英敬衆院議員が嫌疑不十分で不起訴処分となった。津地検は「所要の捜査を尽くしたものの、告発事実を認めるに足る証拠はないと判断した」。まことに―ご同慶の至り

▼三重県知事当時「任期をまっとうすることしか考えていない」と言い続けて、直前に衆院に転進したことをとやかく言う気はない。4区の選良として大いなる活動を願っていたが、そんな思いをしばしば揺さぶられた

▼一つは、旧統一教会の関係団体のイベントに知事として祝電を打っていたと取りざたされたことだ。県の調査で、祝電は「公費から出ていない」と一見勝之知事が報告して事なきを得た

▼そのほとぼりが冷めやらぬのに、今度の国の公共工事を受注した企業から寄付を受けていたとして告発され、県警が受理して書類送検されたことだ。この種送検は手続き上の措置で、犯罪を意味するものではないというのが鈴木議員の主張だが、警察に告訴を受理させるのがいかに困難かを体験した身としては心配もしたが、めでたく不起訴になった

▼検察は告発された事実が認められないと念入りに説明したが、事実がないと言っているわけではない。公共工事の受注業者だとは「知らなかった」、また選挙ではなく「支部立ち上げの支援」という説明が違うという証拠はないというだけのことだ

▼知事就任前は反社会勢力との関係が深いとされる企業から顧問料を受け取って、その軽率さを謝罪した。トラウマではないが、軽率さがまた顔を出さないか、ヒヤヒヤさせられる。