2024年4月6日(土) 

▼米国政治の動きが、世界の混迷を深めようとしている。日本では大きく報じられなかったヴィクトリア・ヌーランド国務次官の退任。欧米メディアは「ネオコン外交の終焉(しゅうえん)」と大きく報じた。自由と民主主義を広めるためなら力も使うというネオコンの主要閣僚が去れば、ウクライナ支援は下火になるのは確実

▼バイデン大統領は対ロ強硬を口にするが、今後は口先だけになる。つまり次期大統領がトランプになろうとバイデン再選だろうと、結果は同じ。米国はウクライナから手を引く。ヌーランドこそが2014年のマイダン革命の立役者だからだ

▼対ロ・対中強硬のネオコンは、トランプ時代は国務省から一掃された。トランプは自由と民主主義などどうでもよく、米国さえよければいいという「ディール(取引)外交」。ネオコンなしのバイデンも同じになる可能性がある

▼日本メディアはロシア優勢を伝えるが、ロシアの疲弊は深まっている。中国の経済失速も想定以上で、習近平は西側に歩み寄りを見せている。もし米国が対ロ・対中強硬路線を捨てれば、間に挟まれた日本は漂流する。日本も外交路線の転換が迫られる。