多度大社(三重県桑名市)の上げ馬神事(県無形民俗文化財)に「動物虐待に当たる」との批判がある問題で、県教委は28日、多度大社側が勧告への回答を県教委に提出したと発表した。
県教委によると、回答は氏子らでつくる御厨会と多度大社が25日に提出。先月22日に公表していた改善策と同じく、馬が飛び越える約2メートルの壁を撤去することなどを報告した。
また、県教委が明確にするよう勧告していた神事の実施主体について、回答では御厨会と多度大社で組織する「多度大社御厨総代会」が行事全般への責任を負うことも報告した。
社会教育・文化財保護課の天野長志課長は28日の記者会見で「真摯(しんし)に回答してもらった。神事の安全な実施に向けて大きく前進したと思う。さらなる検討を注視したい」と述べた。
県教委は昨年8月、馬を威嚇する行為の根絶などを求める勧告を多度大社に発出した。県文化財保護審議会の委員らは5月4、5両日の神事を視察し、改善策が反映されているかなどを調べる。