三重県は22日、企業庁発注工事を巡る贈収賄事件を受けた再発防止策を発表した。贈賄側の業者に対する指名停止の期間を延長するほか、工事の発注事務に特化した「コンプライアンス規程」を策定。いずれも4月1日付から適用する。
県によると、贈賄側の業者に対する指名停止期間の下限を「4カ月」から「12カ月」に引き上げる。談合の場合も、指名停止期間の下限を「4カ月」から「8カ月」に引き上げる。
さらに、指名停止期間が終了した後も1年間は総合評価方式の入札で減点する措置も加える。贈賄では「24カ月」、談合では「12カ月」とする指名停止期間の上限に変更はない。
発注業務の「コンプライアンス規程」では、関係法令や職員倫理規程の順守を職員らに義務付けたほか、発注に関する秘密を業務上知り得る立場の者以外に漏らしてはならないことなどを明記した。
関係法令の解説や業者による不当な働きかけに対する適切な対応例などをまとめた「コンプライアンス必携」も合わせて策定した。電子メールなどで職員に周知し、研修などで活用する。
県は平成31年度に職員の倫理規程を設けたが、発注業務に特化した規程はなかった。事件を受け、関係部局の職員らが有識者の意見を踏まえて策定。同様の規程は11都府県にある。
総務部の楠田泰司副部長兼コンプライアンス総括監は22日の記者会見で「今回のようなことが二度と起きないよう、職員に規程を順守させるなどして粘り強く取り組む」と述べた。