伊勢新聞

文化振興計画案を答申 三重県の文化審「取り組み実行を」

【一見知事(右)に答申書を手渡す豊田会長=県庁で】

三重県の文化審議会(会長=豊田長康鈴鹿医療科学大学長、15人)は21日、来年度からの3年間を対象期間とする「文化振興計画」の案を、一見勝之知事に答申した。県は今月中にも計画を策定する方針。文化振興に関する初の計画となる。

県によると、一見知事は昨年9月に施行された文化振興条例に基づき、審議会に文化振興計画の策定について諮問していた。審議会は昨年10月から3回の会合を経て、計画の案をまとめた。

審議会の案は、文化振興の基本目標として「文化の力で心豊かに活力ある三重を実現」と明記。県立文化施設の利用者数を約4割増の140万人に増やすことなど、成果指標も設けている。

県民の文化に対する関心や理解の醸成▽子どもたちの文化活動の充実▽文化と観光の連携―を重点的に取り組む施策として掲げた。イベントなどを通じた文化の発信にも努めるとしている。

計画は、文化芸術基本法に定める「地方文化芸術推進基本計画」として位置付ける。これまでは平成26年に策定した「新しいみえの文化振興方針」に基づいて関連の施策を進めてきた。

この日、豊田会長らが県庁を訪れ、一見知事に答申書を手渡した。豊田会長は「答申が文化の発展に寄与することを願っている。ぜひ計画に基づいて取り組みを実行してほしい」と述べた。

一見知事は「文化の施策は守りに入りがちで予算が付きにくい」と指摘した上で「新年度予算では、子どもたちが文化に触れるための費用も盛り込んだ。文化に光を当てていく」と述べた。