【多気郡】三重県の世古口哲哉明和町長の交通事故死に伴う町長選が19日、告示された。いずれも同町明星、新人無所属の元会社員奥田隆広氏(66)、民泊業西井一博氏(77)、元副町長下村由美子氏(63)=届け出順=の3氏が立候補した。投開票は24日。
期日前投票は20―23日午前8時半―午後8時、役場庁舎一階研修室で。投票は24日午前7時―午後6時、町内14カ所で。開票は同日午後8時から、町役場横の中央公民館大集会場で。
18日現在の選挙人名簿登録者数は1万9002人(男8968人、女1万34人)。
■IRやカジノを誘致
奥田隆広氏は19日、町役場で立候補を届け出た。選挙活動は特に予定していないという。
記者会見などで立候補を表明しないまま、1日の町長選立候補予定者説明会に出席し、立候補届の事前審査を受けた。事前審査は最終日の15日までに新人3人が申し出た。奥田氏は同日、取材に応じた。
出馬動機について、竹下登内閣のふるさと創生1億円事業で明和町は何に使ったか町役場に問い合わせたところ、関係文書を処分して情報がないと聞かされ、「突発的に出ようと思った」と説明した。
また「財政が乏しいから、IR(統合型リゾート)やカジノを誘致していきたい。2番目の策としてゴルフ場を造っていく。3番目にIT企業を誘致する」と抱負を語った。
■明和町を稼ぐ町に
西井一博氏は午前9時、明和町明星の自宅で出陣式を開き、支持者約10人を前に「民間で培った実績、経験で、みなさんと一緒に明和町を稼ぐ町に変える」と訴えた。
西井氏は町の財政状況を「変えなければいけない」と訴え「南海トラフ地震に備え、庁舎を建て替えないといけないが、お金がないからできていない」と指摘した。
その上で、三菱化学を早期退職後、コンサルタント会社を10年間経営した実績を強調。「失敗も経験してきたが、結果的には成功してきた。持っているもので恩返ししたい」と述べた。
応援に駆け付けた田中正浩松阪市議は「民間で鍛え上げてきた経営感覚を明和町に入れたい」と支持を呼びかけた。西井氏は参加者から「頑張れよ」との声を受け、選挙カーに乗り込んだ。
■経験と情熱で全力
下村由美子氏は19日午前9時半、斎宮の選挙事務所で出陣式を開き、支持者約200人を前に「これまでの経験と情熱を持って町政に全力を尽くしたい」と訴えた。
下村氏は世古口哲哉町長の突然の死去を受けて立候補を決意するまでを振り返り、「町政を停滞、低下させることなく、しっかり進めていくためには私が挑まなければと思った」と述べ、「41年間役場に勤め、中心になって取り組み、今後も継続していきたい福祉まるごと相談室や、前町長とともに進めた明和北小学校の事業がある」と述べ、「私が先頭に立って推し進めていく覚悟」と決意表明した。
鈴木英敬衆院議員や久保行央多気町長、大森正信大台町長をはじめ、県議、町議らが参加。全員で頑張ろうコールをし、街宣車で町内を巡った。