伊勢新聞

手作りクッキーで山商ナイン応援「甲子園で頑張って」 玉城町の身障者就労センター利用者

【伊勢】18日に開幕する第96回選抜高校野球大会に出場する宇治山田商業高校を応援しようと、三重県玉城町佐田の「身障者就労センター上々」の利用者らが15日、手作りの「JoJo白球クッキー」を伊勢市黒瀬町の同校野球部に届けた。

就労継続支援B型事業所の上々は、障害者に就労訓練や生産活動の機会を提供するとともに、一般就労に向けた支援を実施。利用者らが商品開発を行い、自家製野菜パウダーを使った焼き菓子やうどん、地元産や無添加にこだわった乾燥果物・野菜などを製造し、併設する飲食店や町内外のイベント、企業などに出向いて販売している。

今回は、同校野球部に同町出身が3人いることや、同町が朝日新聞社創業者で全国高校野球選手権大会を創設した村山龍平の出身地ということもあり、町が製作を提案。利用者らは「自分たちができることはないか」と考え、応援の気持ちを込めたクッキーを作ることにした。

野球をイメージし、ボールに見立てたスノーボール、カボチャパウダーを生地に練り込んだヘルメット型、モロヘイヤパウダーを使ったバット型と選手のスイング型の4種類を開発。生地を作り、型を抜いて焼き上げるなど作業は全て利用者らが担当し、3種類を袋に詰め合わせて50袋を用意した。

利用者代表の水谷和枝さんと村木みれいさんらが同校を訪れ、「上々のみんなで応援の気持ちを込めて作りました。一つでも多く勝ってきてほしいです。頑張ってください」と話し、村田治樹監督にクッキーを手渡した。村田監督は「今日中に選手に渡します。地域の皆さんの応援を力に変えて頑張ってきます」と感謝した。

【出来上がったクッキーを紹介する水谷さん=玉城町佐田の「身障者就労センター上々」で】

支援員の山本知美さんは「利用者さんの『頑張れ』という思いが選手の皆さんに伝わり、それが利用者さんのやる気につながればうれしい。上々のことを知ってもらうきっかけになれば」と話していた。