三重県議会は13日、総務地域連携交通、医療保健子ども福祉病院、防災県土整備企業の各常任委員会を開いた。県が来年度当初予算で県庁の将来的な建て替えに向けた建設費を積み立てなかったことに対し、舟橋裕幸委員(新政みえ、8期、津市選出)が「約束と違う」などと指摘。更屋英洋総務部長が「部内で十分に議論できていなかった」と答えると、舟橋委員は「許しがたい」と批判した。
県庁建設積立金、補正予算などで計上へ
〈総務地域連携交通=喜田健児委員長(8人)〉
県は昨年3月、築60年が経過する県庁や老朽化する県立高校の将来的な建て替えに向けた基金を設置。県庁の建設費を400億円と想定し、毎年10億円ずつ積み立る方針を示している。
一方、県は「施設の改修など、他の事業を削って積み立てるものではない」(財政課)とし、来年度の当初予算段階では積立金を計上せず。補正予算などで計上する見通しを示している。
この日の常任委で、来年度当初予算で積立金を計上しなかった理由を舟橋委員に問われた更屋総務部長は「その時点で十分な議論ができていなかったのが正直なところ」などと説明した。
これに対し、舟橋委員は「それはない。庁舎の管理は総務部の大事な事業。許しがたい答弁」などと批判。「令和7年度からは、しっかり当初予算で積み立てると思っておく」と語った。
自主防災組織、過去10年取り組み「特にない」9.1%
〈防災県土整備企業=石垣智矢委員長(7人)〉
防災対策部は、県内の自主防災組織に実施した活動実態調査の結果を報告。過去10年間で取り組んだことが「特にない」と回答した団体が、9・1%に上ったことを明らかにした。
県によると、調査は自治会などの自主防災組織3284団体を対象として、昨年12月から今年1月にかけて実施。69・7%に当たる2290団体から回答を得た。
回答した団体の60・8%(1393団体)が過去10年間で消火訓練を実施し、53・1%(1216団体)が避難訓練を実施した。一方、9・1%(208団体)が「特にない」と答えた。
防災対策部は「高齢化などによって過去に途絶えた取り組みが再び実施できないなどの事情があるとみられる」と説明。「地域の防災を担う人材の掘り起こしなどに努める」としている。
3病院の数値目標記載へ 中期経営計画最終案
〈医療保健子ども福祉病院=川口円委員長(8人)〉
病院事業庁は、来年度からの4年間を対象とする中期経営計画の最終案を示した。3つの県立病院について、それぞれの役割や課題、数値目標などを記載。月内に完成させる。
計画は、こころの医療センター(津市)について「患者数の減少傾向が続いている」と指摘。救急患者の受け入れ件数やアルコール依存症の入院患者などを増やすことを目標に掲げた。
一志病院(同市)と志摩病院(志摩市)も外来患者の増加などを目標に設定。志摩病院については「人口減少などの影響で患者が大幅に減少し、救急の積極的な受け入れが必要」としている。
また、総務省が令和4年3月に示した「公立病院経営強化ガイドライン」に基づき、中期経営計画には新興感染症の発生に備えた平時からの取り組みや働き方改革などを新たに記載した。