【松阪】三重県松阪市殿町の本居宣長記念館はこのほど、春の企画展「宣長先生と大平さん」を始めた。会期は6月2日まで。入館料は大人400円、大学生300円、小学4年―高校生200円。
宣長は長男の春庭が病気で失明した後、13歳で弟子入りした稲掛大平を養子に迎えた。81種138点(国重要文化財32点)を出品し、宣長と大平の足跡を振り返る。
大平が代筆した宣長の「本末(もとすえ)の歌」と「家の業(なり)の歌」は、優先順位をつける、和歌や文をよむのは良いが家業や家のことをおろそかにしてはいけない、と呼びかける内容。同館は「大平の思いが、実直で生真面目な大平らしい筆跡で現れています」と説明している。
雲上人と呼ばれる宮中の人々が満開の山桜を眺める「桜の図」は、宣長が和歌「花の盛りを見わたせば雲の下ゆく雲の上人(雲の上の人のはずが雲の下を歩いていらっしゃる)」を添えている。
展示説明会は3月16日と5月18日のいずれも午前11時から。