サッカーの第26回日本フットボールリーグ(JFL)が10日、開幕する。三重県初のJリーグ入りを目標に掲げて鈴鹿市を拠点に2019年からJFLで活動する「アトレチコ鈴鹿クラブ」(鈴鹿ポイントゲッターズから改称)は今年、新監督に都立東久留米総合高サッカー部元監督の齋藤登氏(66)を迎えて6年目のスタートを切る。
元執行役員とのトラブルをきっかけに構造的な問題が顕在化したため昨年11月、「株式会社協同」を新たなオーナー企業として迎えて経営体制を刷新。チームも新たな指揮官の下再出発することとなった。教員出身らしく「人を大切にする」ことがモットーと語る新監督に思いを聞いた。
―出身は東京都。これまでの三重県との関わりは
三重に来たのは3度目。家内と、伊勢の方に旅行で2回ほど行った程度。まさか自分が、三重県に、鈴鹿市に住むようになるとは思ってもいなかった。
―社会人チームを率いるのも初めての経験だ
(都立高校教員の)定年を機にユースダイレクターとして東京都サッカー協会で専任の仕事を5年間やらせていただいた上で、また現場に関わりたいと思っていた時期だった。悔しい思い、爆発するような喜び、そういったものを選手たちと再び共有できるチャンスを与えられたことを、本当にうれしく思っている。
―チームとの関わりは
チームの新オーナー(協同代表取締役社長の斉藤浩史氏)の暁星高校時代の恩師が日本サッカー協会副会長で東京サッカー協会会長でもある林(義規)先生。林先生からオーナーに紹介していただいて、このような話となった。
―チームの印象は
選手が若く、のびしろがたくさんある。過去に色々なことが有った中で、皆素直で気持ちの良い選手がそろっているなという印象を受けた。
―今季JFLの目標は。またどのようなサッカーを目指して行くのか
戦う以上、目標は優勝だがリーグ戦は1つ1つの試合の積み重ね。目の前の試合を大切に戦っていく。成績だけでなく地域の子どもたちにとって一番身近で見本となる選手、チームを目指して行きたい。目指すのは攻撃的で、見る人をわくわくさせるサッカー。子どもたちから「このサッカー面白い」と思ってもらえるようなサッカーがしたい。
―ファン、地元へのメッセージを
チームの新エンブレムに「2024」が入った。前までのチームとつながってはいるが、この2024年に新しいスタートを切るという意味だ。「どんなサッカーをするんだ」という興味本位でも良いのでまずは試合を見に来てもらいたい。会場に来てくれた方が再び足を運びたくなるチームづくりをしていきたい。
齋藤登(さいとう・のぼる)氏 都立高校教員時代はサッカー部の指導一筋。教え子は多く、1992年と2006年に全国高校選手権に出場し“都立の星”と呼ばれた久留米(現東久留米総合)高時代に指導した元日本代表MF中村憲剛氏は「サッカーの基本がしっかりして何よりも負けず嫌い。穏やかな人間性、知性の中に煮えたぎるようなものを持っていましたね」
第26回日本フットボールリーグ 国内トップアマチュアの16チームが3月10日の第1節から11月24日の第30節まで2回戦総当たり(ホーム&アウエー方式)で対戦する。本県からは「ヴィアティン三重」「アトレチコ鈴鹿」の2チームが出場し、第1節はヴィアティンは高知ユナイテッドSC、鈴鹿はヴェルスパ大分といずれも敵地で対戦。第2節(3月16、17日)は県内での試合を予定している。