伊勢新聞

2024年3月7日(木)

▼同僚からセクハラ発言を受けたとして県議会の吉田紋華県議(共産党)がハラスメント根絶を目的に議員向け研修を実施するよう中森博文議長に要望した

▼自身が1月19日、議事堂で津田健児議員(自民党)から「風邪をひいたら、あやちゃん看病に来てね」と声をかけられたことや、昨年12月の委員会質疑の中で平畑武議員(新政みえ)が茶振興のイベントでスイーツをふるまってくれた女子高校生について「すごくきれいな2人で完璧に100点」などと発言した例をあげ、必要を指摘している

▼吉田県議当選前の前期は、小林貴虎前県議の発言を巡って議会の人権感覚が大きく問われた。一つは、県が都道府県レベルでは初となる性的指向や性自認を第三者に暴露(アウティング)することを禁じた条例を制定したのに、同性カップルの住所などを公表した。もう一つは、安倍晋三元首相の国葬論議で「反対しているのはお隣の大陸の人が八割」などと発言し、辞職勧告決議案が上程された

▼3年続けて年に数件問題が起きているとなると、過去にスルーしてきたことが問題になろう。小林前県議の決議案では津田県議が反対討論に立ちながらも、発言自体は「大ばかやろう」と批判した。その津田県議が今度は陳謝に追い込まれる

▼4日の本会議では同僚男性県議が「人間味あふれ、人のことを最優先に考える」から「若干誤解を招く」と寸評した。平畑発言も、吉田県議は議場に笑いが起きていたと問題にしている

▼最高の議決機関として、きちんと理解しておかねばなるまい。