「温泉むすめ」でまちおこし 志摩・浜島町、志摩温泉のキャラ活用 拠点にパネル、グッズ販売も 三重

【志摩温泉をモチーフにしたキャラクター「志摩茉莉也」のパネル=志摩市浜島町のシマリアスで】

【志摩】全国の温泉地をモチーフとしたキャラクターを通じて、その温泉地の魅力を発信する「温泉むすめ」で、志摩温泉のキャラクター「志摩茉莉也(しままりや、通称しまりあちゃん)」を活用した町おこしプロジェクトが志摩市浜島町で始まっている。

温泉むすめは、イベント企画などを手がける「エンバウンド」(東京都)が平成28年から始めた地域活性化プロジェクト。温泉地をPRする架空の神様として、現在は128カ所の温泉地のキャラクターが誕生し、それぞれ担当する声優がいる。志摩茉莉也は趣味が編み物や寒中水泳、好きなものは伊勢エビなどと設定されている。

今回の町おこしプロジェクトは、東京都在住で弁護士の横山雅明さん(37)=松阪市出身=と、公認会計士の長井宏昂さん(37)=四日市市出身=が発起人。二人は学生時代からの友人で、ともに温泉むすめのファンという。

県内では榊原温泉と鳥羽温泉郷がキャラクター化され、地元にパネルを設置するなどPRしているが、志摩市では志摩茉莉也が活用されていなかったため、浜島町を拠点に新たな客層を呼び込もうと昨年11月、エンバウンドの許可を得てプロジェクトが始まった。

浜島町を訪れた横山さんからプロジェクトの話を聞いた菓子製造販売「まるじん本舗」の柴原吉成さんら地元住民も協力。使っていない倉庫を改装して活動拠点「シマリアス」をつくり、志摩茉莉也のパネルを設置し、他の温泉むすめのグッズなどを展示した。

志摩茉莉也の誕生日の2月22日には、顕現式(お披露目会)や誕生日会、ファン交流会を実施。県内外から百人以上が訪れ、現地でしか購入できないキーホルダーや缶バッジなどのグッズも完売したという。

長井さんは「温泉むすめのキャラクターを通じて人とのつながりが生まれる。今まで知らなかった地域に行くきっかけにもなり、新たな魅力に気づける」と話す。今後は地元の事業者に声かけしてオリジナルのパネルを作るほか、新しいグッズの考案や販売、地域イベントとのコラボを行っていく予定。

柴原さんは「温泉むすめは地域活性化の仕掛けになると期待している」、長井さんは「何回も浜島に足を運んでもらえるように継続的にグッズやパネルを増やしていきたい」と話した。