【伊勢】大規模地震を想定した総合防災訓練が29日、三重県伊勢市の市立伊勢総合病院で実施され、医師や看護師をはじめ、消防、自衛隊、地域住民など計約200人が参加した。
訓練は、南海トラフ巨大地震で震度6強の揺れを観測し、多数の傷病者が搬送されると想定した。
地震発生を受け、院内に災害対策本部を設置。院内の被災状況を把握し、外部の関係機関との情報伝達の手順を確認した。医師や看護師、救急隊らは、傷病者役に、負傷の状態で治療の優先順位を決めるトリアージを行った。屋上ヘリポートでは、明野駐屯地の自衛隊ヘリが搬送してきた患者役の受け入れや、救援物資の受け渡しが行われた。
訓練は、災害時に病院機能を維持し迅速に傷病者の治療ができるよう、各機関と協力して毎年実施している。地域の医療機関とも連携を図るため、今回初めて、伊勢地区医師会の医師らも参加した。
原隆久院長は「東日本大震災以降、10年以上訓練を続け、職員らの災害に対する意識は高まった。医師会とも情報共有して、有事に備えたい」と話していた。