▼コロナ禍が明けて一年ほど、世界の観光地、街角で激変したことがある。日本人観光客がいなくなったことだ。グアムでもハワイでも、タイやシンガポールでも。まして、米本土、欧州の街角で日本人観光客の姿を見ることはほぼなくなった
▼かつてグアムは「安近短」の旅先として大人気だったが、いまはハングル表示があふれ韓国人の観光地となった。ハワイにはコロナ禍前に毎年100万人以上の日本人が訪れたが、昨年はその半分以下。ワイキキビーチに日本の若者の姿はない
▼日本政府観光局によると、昨年の日本人出国者数は約962万人。コロナ禍前に年間2千万人に達したことがうそのようだ。日本経済の衰退による賃金安、円安、インフレで、日本人は海外に出られなくなった
▼ハワイ四泊六日5万9800円などというパックツアーは消滅。いまやハワイ往復で航空券代とは別に5万6400円(日本航空)がサーチャージされる。現地では、ホテル一泊5万円、ラーメン一杯3千円だ。時代は逆戻りし、海外旅行はふたたび「高根の花」となった。「成田離婚」と言っても、いまの若者にはなんだかわからないだろう。