【多気郡】三重県の世古口哲哉明和町長の交通事故死に伴う町長選に、下村由美子副町長(63)＝明星＝と民泊業西井一博氏(77)＝同＝（50音順）の新人２氏が28日、立候補を表明した。いずれも無所属。町長選は３月19日告示、同24日投開票。
下村副町長は３月15日付で辞職する。「道半ばで亡くなった世古口町長の事業を引き継ぐ。今の行政運営を停滞させることなく、継続させる。笑顔あふれる、住みたい住み続けたいまちづくりに尽力する」と抱負を述べた。
出馬動機について、「世古口町長が亡くなった後、友人から『町長選に出やないかんよ。次あんたやよ』と言われる一方、『この際、辞めて好きなことした方がいいんちゃう』と言われ、悩んだ」と振り返り、「町政を見たとき、評価されるところと、そうでない部分があり、きちんとおさめていくのは自分しかないのかなと思った」と語った。
下村氏は金城学院大を卒業後、同町役場に入庁。福祉子育て課長、福祉保健課長、こども課長を経て、令和元年に副町長に就いた。
西井氏は、町長選に３回目の挑戦となる。世古口氏が初当選した平成30年の町長選では立候補した五氏のうち最下位だった。世古口氏が再選した令和４年は一騎打ちで、５倍近くの票差で落選した。
西井氏は「まちを良くするために出る。民間出身でしがらみがない」と訴え、「町に200億円ぐらい借金があり、体質が変わっていない。稼ぐまちに変えないと新庁舎も建てられない」と訴えた。
政策に「教育に力を入れるまち」「環境と開発の両立」「地震、大型台風や集中豪雨などの災害に負けないまち」を掲げている。
西井氏は松阪工業高校卒業後、三菱化学に入社。退職後はコンサルタント・貿易会社を立ち上げ、現在は実家で民泊業。慶応大通信教育課程を卒業している。