スポーツ優秀賞を受賞する津市拠点の男子ソフトボールチーム「三重ヴェルデウィン」は昨年7月に山形県で開催の全日本クラブ男子選手権に続き、11月に埼玉県で開催の男子日本リーグ決勝トーナメントで県勢初の優勝を果たして2019年の発足以来躍進の1年となった。
21年三重とこわか国体での活躍を目指して県庁ソフトボール部を受け皿に、日本代表左腕の河野拓郎投手=兵庫県出身=らを擁してクラブチームとして再出発した。監督に日本体育大監督時代、全日本総合優勝などの指導実績を持つ田儀幸男氏(スポーツ特別賞を受賞)=高知県出身=を迎えて20年から日本リーグに加盟した。
レギュラーシーズンを2位通過して2年ぶりに進出した決勝トーナメントでは上位5チームによる戦いを制した。発足後公式戦で一度も勝てなかった平林金属(岡山)を初めて下した準決勝は7―6の逆転勝ち。最終回に逆転3ランを放った上田郁也主将=愛媛県出身=は津市立朝陽中の教員で「結果で周囲に恩返ししたい気持ちが強かった」。
河野、酒井匠=千葉県出身=の左右両主戦の小刻みな投手リレーもある中、野手も集中を切らさず守り抜いた。日体大時代からの田儀監督の教え子が多く1番打者の櫻庭佑輔内野手=静岡県出身=は「監督、ベンチの意思疎通はできていた」。指揮官も「選手たちのおかげで素晴らしい結果が出せた」と感謝していた。
三重とこわか国体は中止となったが県は35年に再度、国民スポーツ大会(国スポ=国民体育大会から改称予定)を招致する方針だ。今年からコーチも兼任する河野投手は「周囲に認知してもらえるような成績が出せたことを機にジュニア世代の強化にも取り組んでいきたい」と話している。