伊勢新聞

2024年2月28日(水)

▼真夜中や明け方にテレビをつけると通信販売のコマーシャルが延々続いていることがよくある。誰も見ない時間帯だから放映する番組に困り、通販でも流しておこうとなったのかと漠然と考えていたら、テレビ局の知人に不明を知らされた。激戦の時間帯で、仕事から帰ってくつろぐ水商売関係など、見る層が限られるので宣伝する商品も絞りやすく、実によく売れるのだという

▼東京・山手線のドア横にPR動画が映るようになったのはいつ頃からだったか。窓外の電子版の動く宣伝に驚いたのは、そのはるか前だった。近頃は、ガソリンスタンドのメーターの横にも動画画面があり、短い給油時間に宣伝している

▼自販機にもしかり。マンションのエレベーターにモニターが設置され、PR動画が四六時中流れているというのも時世時節で、決まった人しか見ないそんなPR動画に効果があるのか、というのは古い頭の持ち主なのだろう

▼県が3月4日から同月いっぱい、37都道府県のマンションのエレベーター計7020台のモニターに県内の観光地などのプロモーション動画を放映する。疲れて帰ってきたクタクタの頭に「歴史と自然を一緒に味わう」というナレーションつきで伊勢神宮や英虞湾、六華苑、馬越峠など、名所旧跡を15秒間見せて「極上の休息を」と呼びかける

▼海綿に水がしみ込むように伝わって疲れを癒やす。翌日あたり、家を出てついふらふらと電車に飛び乗ってくれるかも知れない

▼年度内にも「選ばれる三重の実現」推進方針を策定する。