三重県商工会議所連合会は22日、県内の小規模企業を対象に実施した昨年下期(同7―12月)の景況調査結果を発表した。景況感を示すDIは令和2年上期以来、7期ぶりに悪化した。
調査は県内の商議所に入会している1万277社を対象として、今年1月に実施。景況感や売り上げの状況、経営上の問題点などを尋ね、26・0%に当たる2671社が回答した。
景況感が「好転した」と回答した企業から「悪化した」と答えた企業を差し引いた割合を示すDIはマイナス19・1。前期(昨年1―6月)から0・9ポイント悪化しつつ、前年同期より9ポイント高い。
業種別では、製造、卸売、その他の3業種が改善し、建設業は横ばい。残る4業種は悪化した。経営上の問題点で最も多かったのは、前期と同じく「売上・受注の停滞減少」(41・2%)だった。
売上状況のDI(マイナス16・5)は1・5ポイント悪化しつつ、利益状況のDI(マイナス25・5)は1・6ポイントの改善。今後の見通しに関するDIはマイナス22・7で、3・6ポイント悪化した。
喜多正幸専務理事は記者会見で「景況感は少し落ちつつも横ばい」との認識を示した。見通しの悪化についても「大きな不安ではなく、将来を慎重に見ているということだと思う」と述べた。
一方で「建設業や運輸業などで人手不足が懸念される」と説明。「小規模企業のコスト転嫁が進めば、利益が増えて賃上げにつながると思う。経営相談などを通じて支援したい」と語った。