昨年5月、三重県津市の自宅で三女=当時(4つ)=に暴行を加え死亡させたとして傷害致死罪に問われた松阪市飯南町、工員中林りゑ子被告(43)の裁判員裁判は21日、津地裁(西前征志裁判長)で被告人質問があり、中林被告は三女と他の2人の娘との間に「愛情に差があった」と述べた。
起訴状などによると、中林被告は昨年5月、当時住んでいた津市の自宅で三女のほのかさんが乗った布団を引っ張り上げて転倒させた。翌日には背中を右手で殴り、乗っていた高さ約30センチの机から転落させ、死亡させたとされる。
中林被告は弁護側の質問に、三女の発達に遅れを感じ「この子を育てられるのか」という悩みを抱えていたと説明。事件の1年半前から三女を押して転倒させるなどの行為をしていたと話した。
また、三女がお漏らししたことをかたくなに認めず「心が折れた」と供述。机に乗った三女に右手を振り下ろし「(三女が)床にぶつかる『ゴン』という音がした」と話した。
検察側は長女や次女と比べて、三女の扱いに差があった理由を尋ねた。中林被告は「愛情に差があった」と答え、普段から三女の言動などに怒りやストレスを蓄積させていたと述べた。
20日の初公判で検察側は三女への暴行やネグレクト(育児放棄)が長期間続いていたと主張。弁護側は「精神的に追い詰められていた」として情状酌量を求めていた。論告求刑公判は26日に開かれ、判決は来月8日に言い渡される予定。