児童虐待、見守り強化へ 三重県、安全確認を社会福祉法人に委託 令和6年度予算案

三重県津市で母親の虐待を受けた女児=当時(4つ)=が死亡した事件を受け、県は虐待疑いのある児童らの見守りを強化する。関連費として、来年度の一般会計当初予算に約3400万円を計上した。

県によると、児童養護施設を運営する社会福祉法人に子どもの安全確認を委託。法人の職員らが学校や幼稚園などを定期的に訪問し、子どもの様子や家庭環境の変化を教員などから聞き取る。

聞き取りは児童相談所の職員らも実施しているが、社会福祉法人の協力を得ることで充実させたい考え。中勢、北勢の両児相では既に委託を始めており、全ての児相に取り組みを広げる方針。

子ども福祉・虐待対策課の担当者は「児童養護施設を運営している社会福祉法人には、子どもと関わる知見がある。子どもの環境変化を見逃さないための取り組みを進めたい」と話している。

また、県は児相の職員らを対象に一時保護の必要性などを判断する研修も実施する。事件を受けて立ち上げた検証委員会がまとめる予定の報告書を踏まえ、新たな再発防止策も検討する方針。